宮城県内の子どもの健全育成や、子どもを産み育てやすい地域社会づくりを推進するため、県が策定を進める「みやぎ子ども・子育て幸福計画」(仮称)の素案が29日、明らかになった。2015年度から5年間で合計特殊出生率を全国平均まで引き上げ、17年度に慢性的な待機児童を解消することを目標に掲げた。
素案は県内の出生数減少の要因として、未婚率上昇や晩婚化・晩産化の進行などを列挙。「結婚から育児までの切れ目のない支援が必要だ」と指摘した。
その上で、1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率を向上させるため、市町村や学校などとの連携による相談体制の充実、子どもと触れ合う機会づくりの必要性を強調。子育ての経済的負担の軽減も盛り込んだ。
待機児童の解消に向けては、保護者の就労状況に関係なく子どもを受け入れる「認定こども園」の設置を促進。6月に運用を始めた「県保育士人材バンク」を生かし、保育士資格があるのに現場で働いていない人の就職につなげる。
県によると、県内の13年の合計特殊出生率は1.34で、全国平均の1.43を下回った。都道府県別順位は39位に低迷している。一方、県内の待機児童はことし4月1日現在、978人に上った。04年度以降、700人以上の状態が続いている。
県はことし秋に計画の中間案を示し、県民対象の意見公募を経て、14年度内の策定を目指す。
素案には、東日本大震災で被災した子どもがたくましく育ち、家族が孤立せず子育てができるよう、被災地の子ども・子育て支援対策を推進することも明記した。