刃物持ち込み禁止を明文化=新幹線殺傷で国交省令改正へ

東海道新幹線のぞみで乗客が殺傷された事件を受け、政府は20日、当面の緊急対策を取りまとめ公表した。

国土交通省令を改正し、適切に梱包(こんぽう)されていない刃物類については、列車内への持ち込みを明文で禁止する。

国交省によると、乗客が省令に反した形で刃物を持ち込んだことが判明した場合、鉄道事業者が停車駅で列車から降ろす。新幹線だけでなく、在来線の列車の乗客も対象になる見通し。

一方、乗客の手荷物検査は利便性などの点で直ちに実施するのは困難として、見送った。引き続き鉄道事業者と協議、検討するものの、乗客の理解や検査場所の確保など課題が多いため実現のめどは立っていないという。

他に、新幹線を運行するJR5社が透明タイプの盾や催涙スプレーなどの防犯、護身用具を車内に配備することも盛り込んだ。用具を使った訓練も実施し、各社でノウハウを共有する。

警備員が乗車する本数、区間を拡大するほか、社員らによる巡回も実施。事件発生時に備え、非常ブザーの設置場所などを乗客に車内放送やテロップで知らせる。

警察も鉄道事業者と連携を強化。テロ対策や護身用具の使用方法などで助言をしたり、合同訓練を実施したりする。

東海道新幹線では6月、神奈川県の新横浜-小田原間を走行中ののぞみ265号の車内で男が刃物で乗客3人を刺し、男性1人が死亡、女性2人が負傷した。

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