日本経団連が1日発表した2010年3月卒の新入社員初任給調査によると、大卒事務系は前年比0・13%増とほぼ横ばいの20万7445円だった。初任給を前年並みに凍結した企業の割合は全体の90・9%と9割を越え、過去最高だった03年の91・4%とほぼ同水準。景気の低迷を反映して、企業内の最低賃金である新卒初任給が伸び悩んでいることが浮き彫りになった。
一方、従業員数でみると、「3000人以上」の企業の大卒事務系初任給が20万5706円だったのに対し、「100人未満」では21万437円と規模が小さい企業ほど初任給が高い傾向にある。経団連は「中小規模の企業は人材確保のために初任給を高めに設定したのではないか」とみている。
産業別で最も高いのは「石油・石炭製品」の23万8612円。次いで「新聞・出版・印刷」の23万4675円。最も低いのは「金融・保険業」の19万1307円だった。
調査は経団連が会員企業を対象に52年から毎年実施しているもので、今年は496社の回答を得た。