東北百貨店協会が25日発表した1月の百貨店(7社12店)の売上高概況は、前年同月比22・1%減の94億5000万円と、3カ月連続でマイナスだった。新型コロナウイルス下で開催した初売りは入店客が激減し、不調だった。回復基調が続いていた下落幅は4カ月ぶりに2割を上回った。
衣料品は38・2%減。アパレルの生産調整が続き、福袋の販売数が減った。密集回避のため、冬物セールの開始時期を昨年12月に前倒ししたことも響いた。ビジネスやフォーマルの需要は戻っていない。
身の回り品は19・5%減、雑貨は12・1%減に沈んだ。海外ブランドの高額品は一部で堅調が続く。化粧品はマスク着用が日常化し、ファンデーションや口紅の需要が減退している。
食料品は9・9%減。物産催事の中止や縮小を受け、菓子や総菜が不調だった。福袋のオンライン販売は外出自粛の傾向を捉えたが、来店客の減少分をカバーできなかった。
地区別では、仙台22・0%減、仙台以外22・2%減と同程度。仙台の外国人観光客免税売上高は92・3%減の300万円だった。
協会の担当者は「初売りは年間売り上げの約1%に上り、インパクトが大きいだけに影響は長引く。オンライン販売の成果は今のところ限定的だが、販売チャンネルの多様化は中長期的に必須になる」と話した。