宮城県利府町の地域おこし協力隊の近江貴之さん(36)が、町特産のナシを使ったレトルトパウチ商品「金の利府梨カレー」を開発した。町内のナシ栽培農家が減少傾向にある中で、新商品で町の特産品を盛り上げようと意気込む。
内容量200グラムのうち、約2割を占めるのがすりおろした町内産のナシ。独自にブレンドしたスパイスで作ったインドカレーの辛味を、ぜいたくに入れたナシの甘味が引き立てるという。
本来は処分される予定だったナシを活用した。2019年の7月に地域おこし隊に就任した近江さん。ナシの栽培を学ぶ中で、味に影響がなくても規格外の大きさや細かい傷が原因で廃棄される果実が大量にあることに目を付けた。
19年秋から処分予定だったナシを使ったカレーを試作。マルシェイベントに出店し試行錯誤を続け、約2年を経て商品化した。
最盛期には約350戸あった町内のナシ農家も現在は約60戸までに減少。近江さんは「一つでも多くの利府産のナシに価値を付けて、町内の農家の活性化にもつなげたい」と語る。
価格は640円。町観光協会や近江さんが開設したネットショップ「利府おもて梨園」で販売する。連絡先は近江さん090(3756)5150。