仙台空港の2012年度の利用客数(速報値)が前年度比46.2%増の269万9082人となって10年度実績を上回り、東日本大震災前の利用水準にほぼ戻ったことが24日、宮城県のまとめで分かった。震災の復旧・復興需要を背景に、国内線の利用客が順調に伸び、国際線も回復傾向を見せている。13年度は新規就航が相次ぐため、県は一層の利用客増を見込んでいる。
12年度の利用客は、国内線が前年度比41.5%増の251万3224人、国際線が2.68倍の18万5858人だった。国内線は11年7月、国際線は同年9月に定期便が運航を再開して以降、回復が続いている。
利用客の推移はグラフの通り。12年度実績を年度末期に震災が起きた10年度実績と比べると、国内線、国際線の合計で2.9%上回った。09年度との比較では96.4%まで回復した。
県は13年度、08年度以降リーマン・ショックの影響で下回っていた「300万人」超えを目指す。今月は格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションが関西線、スカイマークは札幌線と福岡線の運航をそれぞれ始めた。6月はホノルル線が開設され7月には大連経由の北京線が再開する予定。
14年度中の仙台空港の民営化を目指す県は、年間利用者600万人を将来的な目標に掲げる。県は「目標を達成するにはまず300万人まで戻すことが必要。利用客のさらなる増加へ活性化策を講じたい」と話している。