今や漢字が書けなくても、PCやスマホで変換すれば困らない時代。もう漢字の勉強なんて必要ない!
……本当に?
こんな便利な現代でも問題となるのが、変換間違い。ただのケアレスミスならともかく、どの漢字が正しいのか分からなければ、正しい変換はできません。
本記事では、どちらを使えば良いか迷ってしまう言葉の使い分けについてまとめます。
●「制作」と「製作」
「制作」は、映画やテレビ番組など芸術作品を作ることを意味する言葉。一方で「製作」は主に、家具などの実用的なものを、道具や機械などを使って作ることを意味します。
しかし厄介なのが、「製作」は芸術作品を作ることも意味し得るということ。例えば、映画は制作することもあれば、製作することもあるのです。
ではどう使い分けるのか。
これはややこしく、実際には混用されているケースも多いのですが、作品そのものをつくることは「制作」、宣伝や出資などお金に関わることは「製作」ということになっています(「製作委員会」と言いますね)。「映画をセイサクする」の場合は、どちらの意味かによって使い分けるのが正解です。
●「解答」と「回答」
どちらも「答える」という意味の言葉。何に答えるのか、を区別しましょう。
「解答」は、問題に答えること。例えば「テストの解答用紙」のように使います。「解いて答える」と覚えれば良いでしょう。
一方で「回答」は質問に答えること。カイトウ用紙はカイトウ用紙でも、「アンケートの回答用紙」のように使います。この「回」には回帰・回収と同じように「戻す」「返す」という意味があります。
●「超える」と「越える」
しばしば日本語のプロでも悩むのが「超える」と「越える」の使い分け。これはイメージで覚えましょう。
「超える」は「超(ちょう)」の持つニュアンスと同じで、上にいくイメージ。「世界記録を超える」などと使います。
では「越える」はというと、分かりやすいのが「越境」という熟語。境界線を水平にまたぐイメージです。例えば「柵を越える」などと使います。