制服バンク今月限り リサイクル30年余り、仙台のNPO

全国的にも珍しい常設の制服専門バンク「制服リサイクルバンク」(仙台市青葉区)が今月末、30年余りの歴史に幕を下ろす。少子化に加え、独自に制服のリサイクルに取り組む学校が増えたため。在庫はまだ多数あり、運営するNPO法人「仙台・みやぎ消費者支援ネット」は利用を呼び掛けている。
 使い捨ての生活を見直そうと、法人前身の仙台市消費者協会が1982年に始めた。卒業、転校などで不用になった制服を市民に無償提供してもらい、購入を希望する生徒に格安で販売してきた。
 仙台を中心に県内の中学、高校の制服や体操着、柔道着などを幅広く取りそろえ、ボランティアの会員が当番制で管理、運営してきた。
 当初は、利便性の高い青葉区一番町のファッションビル内で週5日間、開所していた。リサイクル意識の高まりを反映し、93年度は来所3580人、提供1900点、購入1550点に上った。
 97年に現在地の仙台市役所国分町分庁舎3階に移転。会員の減少と高齢化に伴い、開所日を週3日に減らしたこともあって、2012年度は来所750人、提供560点、購入545点にとどまった。
 副理事長の岩谷芳江さん(66)は「制服をモデルチェンジしたり、独自にリサイクルを進めたりする学校が増え、バンクが果たす役目を終えた」と話す。
 在庫はワイシャツやネクタイ、かばんなども合わせると3000点近くに上る。今月に入り、入学準備を始める家庭が増え、目当ての学校関連の在庫を確認する問い合わせが増えてきた。制服を託してくれた市民の思いに応えるためにも、多くの人に利用してほしいという。
 販売価格の目安は上着が1500円から、ズボン・スカートが1000円から、ワイシャツ・ブラウスが300円から。開所時間は月、水、金曜午前11時~午後4時。連絡先は022(265)9469。

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