電力使用制限令が9日午後8時に解除されるのを前に、東京電力の西沢俊夫社長は同日午前、制限対象となった企業など管内の大口需要家に向け「大変厳しい制約をおかけしてきたことにおわびする」とのコメントを発表した。
東電は、今夏の電力需要が節電の効果により「900万~1000万キロワット程度低い水準となった」と見ており、細かい節電実績などについて藤本孝副社長が26日に記者会見する予定だ。
秋を迎え、東電の電力需給には余裕が出るが、停止中の原子力発電所の再稼働の見通しが立たないままだ。
同日午前に会見した東電の島田保之営業部長は、昨年度の冬の最大電力(5150万キロワット、2月14日)が今夏実績を上回るレベルだったことを指摘。供給力確保に努める一方、「引き続き、無理のない範囲での節電」への協力を求めた。
また、火力発電用の燃料コスト増などによる10%台の電気料金値上げについて島田部長は「収支は厳しいが、効率化などの努力を積み重ねている。料金改定に言及できる段階にない」と述べるにとどめた。