仙台市内で活動する若手アーティストやクラフト系作家らが、意見を出し合い自らの手で共同スタジオを設置する「つくる場所をつくる! DIY PROJECT」が若林区卸町で進行中だ。制作場所に悩むクリエーターの活動の場にしようと古い倉庫を改装し、新たな表現・創作の拠点として11月開設を目指す。
プロジェクトは、市の委託で仙台卸商センター(若林区)が運営する「とうほくあきんどでざいん塾」が企画。2012年から展開する若手クリエーター支援事業の一環で、今年4月に参加者を募集すると、35歳以下の13人が集まった。
場所はセンター所有のイベントスペース「ハトの家」。鉄骨造り総2階で、延べ床面積は約700平方メートル。プロジェクト参加者が内部の改装作業に当たり、水道・電気工事や資材の提供はセンターが担う。今月中に全体計画をまとめ、7月初めに着工し、11月3日オープンの予定だ。
プロジェクトリーダーに青葉区で「ギャラリーターンアラウンド」を営む関本欣哉さん(42)が就任。完成後は関本さんが施設全体を借り受け、区画ごとに貸し出す形式を取る。
これまでの設計検討会で1階は立体造形物の制作エリアや事務所、2階は絵画・クラフト系の制作エリア、撮影・音響スタジオ、カフェなどの設置が固まりつつある。
共同スタジオのメリットとして塾は(1)クリエーターが1カ所に集まり刺激し合うことで、創作に好影響をもたらす(2)多くの人が集まることによるにぎわいの創出(3)作品の常時展示による購入機会の増加-などを挙げている。
スタジオは一般公開する予定。関本さんは「新たな表現が生まれる瞬間に市民が立ち会える場にしたい」と話す。