50代以降の男性の「加齢臭」を好む“枯れ専女子”はいるが、概して女性は臭いを嫌う。汗をかきやすい季節、30、40代も注意した方がいい臭いが「ミドル脂臭」。
マンダムによると、「ミドル脂臭」は、後頭部やその周辺から発生する「ジアセチル」と皮脂に含まれる中鎖脂肪酸が混ざって臭うという。ジアセチルは汗の中の乳酸が、皮膚上の常在細菌(ブドウ球菌)に代謝・分解されることによって発生するという。
ミドル脂臭は、加齢臭の原因物質ノネナールよりも強く、周りに拡散しやすいから厄介だ。体臭に詳しい「五味クリニック」(東京・大久保)の五味常明院長に聞いた。
「この臭いを発生しやすいのは、普段汗をかきにくい人やストレス・疲労をためこんでいる人など。疲労物質の乳酸が体内にたまっている人ほどジアセチルを発生しやすい傾向があります」
■普段から運動でしっかり汗を
臭さを左右するのが、汗腺だ。汗腺は、水分以外の成分を濾過して再吸収する機能がある。
「汗腺が正常に機能していれば、臭いません。しかし、機能が不十分だと、乳酸などさまざまな成分が含まれた“ドロドロの汗”が皮膚上に排出されるため、ミドル脂臭の原因となるのです」
乳酸は、筋力トレーニングなどの無酸素運動を行ったときや、強度の高い運動を行ったときに生成されやすいが、運動自体が悪いわけではないという。
「有酸素運動で、運動持久力を高めて最大酸素摂取量をアップすると、乳酸は生成されにくくなります。また、普段から運動でしっかり汗をかくようにしておけば、汗腺が鍛えられるので一石二鳥です」
冷房の効いたオフィスにこもって仕事をしていると、汗腺機能が低下。ランチや仕事帰りに外に出て噴き出した汗が臭くなりやすい。
「酢や柑橘類からクエン酸を取ると、乳酸や脂肪を代謝するクエン酸回路が活性化します。臭いの原因物質が代謝されて効果的です」
臭う人は、汗をかく訓練をするのがよさそうだ。