学校以外の勉強にスマートフォンやタブレットを使う中学生の割合が8割を超えることが、仙台市教委の生活・学習状況調査で明らかになった。新型コロナウイルス感染拡大で臨時休校が長期化し、自宅や塾でオンライン学習が増えたことが要因とみられる。連動して勉強以外にスマホなどを使う割合も増加し、小中学生とも過去最多となった。
勉強に使う割合は小学2年~中学3年、勉強以外の割合は小学5年~中学3年を調査した。結果や推移は表、グラフの通り。
勉強に使う割合は、小学校低学年までは半数に満たないものの、4年生になると6割に増加し、5、6年生は7割以上、中学1~3年は8割以上に達した。
最多は中学1年の82.3%。市教委によると、主に調べ学習で使うとみられる。最近は用語や漢字などを辞書ではなく、スマホなどで調べる生徒が少なくないという。中学2、3年生は受験を意識し、プリントの練習問題を解く時間が増えるため、1年生に比べて使用割合は若干下回った。
市教委の担当者は「休校中に県や市のデジタル教材を使った家庭学習があり、各学年で使用率が伸びた。学習塾もオンライン授業を取り入れており、中学生は特に割合が大きくなったのではないか」と分析する。
一方、勉強以外で1日1時間以上、スマホなどを使用する割合も各学年で増えた。最多は中学2年の83.7%。2019年度からの伸び率は小学5年の9.4ポイントが最も大きく、17年度(53.3%)からの3年間では17.0ポイントも上昇した。
勉強にスマホなどを使った後、そのままゲームや音楽鑑賞に移行する児童生徒が多いとみられ、連動して使用率が高まった。小学生のスマホ、タブレットの所持率増加も影響している。
市教委学びの連携推進室の田辺泰宏室長は「使用率は上昇したが、ゲームや音楽鑑賞など自分で楽しむ分には特に懸念はない。危惧するのは通信アプリを使った他者とのやりとり。危険が潜んでいることをしっかりと教えたい」と話した。
調査は今年6月下旬~7月上旬、市立小学校119校と中学校64校、仙台青陵中等教育学校の小学2年~中学3年、約6万6000人を対象に実施した。