不況で残業が減り、勤務時間は短くなったが、飲みにも行かず、家ではネット―。シチズンホールディングス(東京)が行った生活時間に関するアンケートで、男性ビジネスマンのこんな日常が浮かび上がった。
同社は1980年以降10年ごとに、男性ビジネスマンを対象に生活上の所要時間をアンケート調査。4回目の今年は20~50歳代の計400人に聞いた。
平日1日当たりの睡眠時間は、6時間2分と80年(7時間1分)から約1時間減で過去最短。食事時間も1時間9分で、1時間20分台だった過去3回の調査よりも短かった。一方、勤務時間も8時間39分と前回2000年から1時間近く減少。80年(8時間36分)の水準に戻った。
仕事や睡眠など生活に必要な時間を除いたプライベートな時間では、ネットやメールに費やす時間が週に計7時間59分と最多。テレビは7時間52分で、調査開始以降初めて首位の座を譲り、視聴時間も30年前の13時間2分から大きく減った。本や新聞、雑誌を読む時間も2時間36分で、80年の8時間42分から大きく減り、「活字離れ」が如実に。今回初めて項目に加わった「電子書籍を読む」人の割合は14.5%にとどまったが、費やしている時間は2時間9分だった。
また、外で喫茶や飲酒する時間も、最多だった90年の7時間52分から、今年は2時間25分と大幅減。逆に「毎日自宅で夕食を取る」との回答が初めて半数を超えた。
シチズン広報は「不況で帰宅時間が早まり、自分の時間の使い方に対する意識は強まった。半面、飲みに行くなど人とのかかわりが減り、『内向き』になっているのではないか」と話している。