公害問題を克服して政府の「環境モデル都市」にも選ばれた北九州市は本年度から、響灘(ひびきなだ)埋め立て地(同市若松区)への風力発電関連産業の誘致を本格化する。埋め立て地への進出企業に設備投資額の最大14%を補助する助成金制度も4月に創設しており、発電用風車の製造工場や部品工場、実証実験施設などを集約して国内最大の製造拠点を目指す。
響灘埋め立て地は、工場用地などとして利用可能な遊休地が福岡ドーム31個分(約220ヘクタール)ある。岸壁やコンテナターミナルも整備されており、羽根1枚が40メートル以上と部品の大型化が進む発電用風車の製造拠点として「最適の立地」(市の担当者)という。
日本海に面した響灘埋め立て地は年間を通じて安定した風が吹くことから、民間企業2社が計11基の風車を設置し、発電を行っている。北橋健治市長は「風力発電は世界で年率30%の成長を誇る一大産業。環境とアジアをキーワードとする市の成長戦略にぴったりだ」としている。