北仙台地区を歩いて考えた「水害リスク」 防災講座に20人、宅地開発による崖など確認

地域を散策しながら水害のリスクを考える市民講座「北仙台地区の地形がわかる楽しい防災まち歩き」が16日、仙台市青葉区の水の森市民センターなどであった。地域防災学・地形学を研究する東北福祉大准教授の水本匡起(ただき)さん(52)が講師を務め、町内会や自主防災組織のリーダーら約20人が約2時間20分かけて地区を歩いた。

切り土や盛り土で地形変化

 水本さんは青葉区東勝山3丁目の勝山東公園で小高い部分を指し、「人工的に造られた山に見えるが、元々あった尾根が住宅地開発に伴って崩され、ここだけ残った」と解説した。

 鷺ケ森1丁目の住宅街では、長さ30メートル弱の路地で上り坂が下り坂に転じる場所を紹介し、「馬の背のような(急な)尾根で、両側で集水域が異なっている」と述べた。人工的に削られた急な崖や、谷に向かって道路が低くなっている場所なども見て回った。

 座学では、地表の起伏が立体的に見えるよう加工した空中写真を基に、参加者が土地の成り立ちを考える時間もあった。

 北仙台地区は浅い海が隆起した丘陵地が広がる。台原段丘より北は広瀬川による浸食が及ばず、細かい谷や川で凹凸が刻まれた。昭和中期以降に住宅地開発が進み、切り土や盛り土で地形が変化した。

 参加した住民組織「北仙台女性防災ネット」の赤松みゆき代表(65)は「歩いた道は多くが小学校の指定通学路。地形を意識したことはなかったので今後に生かしたい」と振り返った。

 講座は昨年6月と今年9月に続いて3度目。参加者の要望に応え、今回は地区を歩く実践形式にした。

 水本さんは、地形を知ることが災害時の適切な避難行動につながることを紹介した上で、「地域の歴史が分かれば愛着も湧く。学んだことを隣近所の人とも共有してほしい」と呼びかけた。

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