北国は“ポッチャリ”男子 大都市・西日本はスリム女子

地方の男子は「メタボ」、女子は「スラリ」-。文部科学省が8日公表した学校保健統計調査(速報値)で、こんな傾向が明らかになった。同省では「厳しい寒さで外遊びしない地域で肥満率が高い。女子は太ってはいけないという意識が働いているのではないか」と分析している。
 調査は今年4~6月、全国の幼稚園から高校3年(5~17歳)の健康診断結果から抽出した男女約65万人を対象に行った。東日本大震災の被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県は調査対象から除いた。
 文科省では、体重から標準体重を差し引いた数値を、標準体重で割ったものを肥満度と定義。肥満度20%以上の児童・生徒が全体に占める割合を肥満率として調べた。
 その結果、男子の肥満率では、高3(17歳)が昨年度の11・30%から11・54%に増加。小学6年(11歳)の9・46%、中学3年(14歳)の8・48%と比べても高い傾向がうかがえた。
 これに対し、女子は昭和23年の調査開始以来で初めて全学年で体重、肥満率ともに減少。戦後、ほぼ一貫して子供の平均体重は増え続けていたが、今から10年ほど前をピークに減少傾向が続いていた。それでも高3女子の肥満率は7・76%で、5年前から2ポイントも少なくなり、スリム化がより進んだ。
 地域別では、北海道・東北地方で肥満傾向が高く、高3男子で13%を超えたのは13道県にのぼった。一方、高3女子では茨城県の12・86%が最高で、13%を超えた地域はなかった。北海道、山形県、茨城県、奈良県、徳島県では高3の男女ともに肥満率が高い傾向がうかがえた。全体的に大都市圏や西日本の女子では肥満率が低かった。
 文科省は「大人でも地方で肥満率が高い傾向がある。地方では車社会となっており、大都市圏のほうが歩く機会が多いからではないか」と分析している。
 一方、子供の平均身長の伸びは頭打ちが続いた。子供たちの祖父母世代の55年前(昭和31年度)と比べると、中3男子が12・8センチ伸びて165・1センチなのに対し、親世代の30年前(56年度)との比較は1・9センチの伸びにとどまった。

タイトルとURLをコピーしました