北朝鮮が新型とみられるミサイルを4日に発射し、世界中を驚かせた。大陸間弾道ミサイル「火星15」を2017年11月末に発射して以来、約1年5か月ぶり。物騒な事態は繰り返されるのか。
ミサイルは東部の元山付近から日本海に向けて発射された。北朝鮮事情に詳しい拓殖大学主任研究員で元韓国国防省北朝鮮分析官の高永テツ氏は「ミサイル発射は金正恩(朝鮮労働党委員長)の文在寅(韓国大統領)への不平不満が出たもの。文在寅は北朝鮮のスポークスマンを気取りながら、何の成果も出していないどころか、トランプ大統領と会談して、逆に武器・兵器を大量購入し、結果的に北朝鮮への脅威となっている。(今回の発射には)『制裁解除するようアメリカに言え』『もっと北朝鮮にカネを寄こせ』という威嚇の意味がある」と指摘する。
ミサイルには、強烈な皮肉が表れている可能性もある。外観はロシアの「イスカンデル」、韓国の「玄武2号」に酷似している。
高氏は「玄武2号のコピーじゃないかとみられます。玄武2号は韓国が独自開発したミサイルで、北朝鮮に設計図をハッキングされたか、昨年の南北首脳会談で文在寅が金正恩に渡した『新経済構想』のUSBメモリーの中に設計図が入っていたんじゃないかともいわれている。そういう疑念が持たれるから、米韓軍事演習が中止となったのも米側の北朝鮮への配慮ではなく、情報漏洩を危惧した面が強い」と指摘する。
今回のミサイル発射で当初、韓国の参謀本部は「短距離ミサイル」と発表したが、その後、「飛翔体」と変更した。弾道ミサイルと認めてしまえば、国連安保理決議に違反し、北朝鮮との和平を進めてきた文大統領にとってはメンツ丸潰れとなる。そのミサイルが、よもや玄武2号のコピーとなれば恥の上塗りでしかない。
安倍晋三首相は6日夜、トランプ米大統領と電話で会談し、飛翔体を発射した北朝鮮を巡り、日米で一致して対応することを確認。首相は会談後、公邸で記者団に「日米の専門家同士で協力して分析していく」と述べた。