北海道がやたら強すぎる「地域ブランド力」の結果

最も魅力的な都道府県は北海道で、市区町村だと函館――。民間調査会社の総合ブランド研究所(東京都港区)は2014年10月6日、「地域ブランド調査2014」を発表した。
今年で調査は9回目で、全国47都道府県と1000の市区町村を対象に実施された。調査項目は全部で74個あり、魅力度、認知度、観光意欲度、居住意欲度、産品の購入意欲度、地域資源の評価、自慢できる地域資源などを尋ねている。3万1433人がインターネットで回答した。
上位10都市に北海道が4つもランクイン
最初に市町村別の魅力度ランキングを見てみよう。
1位に輝いたのは北海道の函館市。魅力度は前年の53.4ポイントから2.1ポイント減らしたが、減少幅が小さかったため昨年から順位が1つ繰り上がった。全国唯一で唯一、50ポイントを超えた都市でもある。
2016年3月に北海道新幹線が新函館北斗駅まで開通する予定。関連ニュースがたびたび報道され、注目度が増しているのだろうか。2位は昨年3位だった札幌市。函館市と同様に順位が1つ上がったが、1年で3.0ポイントも減らしているのが気になる。道内の他地域からの流入は止まらず、人口は間もなく200万人に達しようかという勢いだ。道民にとって魅力ある都市なのは間違いないのだが、生活保護率が高いなど社会的不安を抱えるのも事実。
3位は前年1位だった京都。評価ポイントの減少は札幌市以下で、なんと1年で5.8ポイントも評価を下げている。古都・京都のブランド名は海外まで広がり外国人観光客は増えているものの、国内の評価にはつながっていない。上位20都市の内訳をみると、観光地や別荘地として人気の高い都市が多くランクインしている。そしてベスト10のうち北海道が4都市も入っている。
ほとんどの都市が点数を下げている中で、13位の日光市と16位の熱海市、そして19位の宮古島市はポイントを増やしている。これら3都市で目立った動きはないけれども、地域のポテンシャルを活かした町づくりが行われており、それが効果を上げているのだろうか。
またもや茨城は最下位に
都道府県の1~9位は昨年から順位に変動がない。もっとも、観光が産業の柱になっている北海道や沖縄、九州一栄えている福岡県が評価ポイントを下げたのに対し、経済力のある東京や横浜、大阪を抱える都府県がポイントを増やしている。昨年最下位だった茨城県は、6.5ポイントで今年も47位に終わった。この1年「なめんなよ いばらき県」という開き直りスローガンで最下位脱出を目指したが、前年から0.1ポイント評価を下げてしまった。「富岡製糸場」が世界遺産に登録された群馬県は前年の44位から2つ順位を下げた。栃木県も世界遺産の日光を有するものの41位。国際的な観光地があるからといって必ずしも評価が高いわけではなさそうだが…。
ワースト10でポイントを増やしたのは佐賀県と埼玉県で、それ以外の8県は評価を下げている。

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