北野武、黒澤明氏に並んだ!日本人映画監督32年ぶりの仏最高勲章

映画監督の北野武氏(69)がフランス政府からレジオン・ドヌール勲章オフィシエを受章することが18日、分かった。同章は、ナポレオンが創設し、200年以上の歴史を持つフランスの最高勲章で、日本人映画監督に贈られるのは故黒澤明氏に続く2人目。北野監督は1999年にフランス芸術文化勲章のシュバリエ、2010年に同勲章の最高章コマンドールを受章しており、「うれしい気持ちでいっぱいです」と大感激している。

“キタノブルー”と呼ばれる独特の映像美で欧州でも高い評価を受ける北野監督が、フランスの最高勲章を手にした。

黒澤明監督が1984年にレジオン・ドヌール勲章オフィシエを受章して以来、日本人映画監督としては2人目の快挙だ。北野監督は「このような栄誉を授かることとなり大変驚いています。そして素直にうれしい気持ちでいっぱいです」とギャグを“封印”し、大感激した。

ナポレオンによって1802年に創設された同章は、フランス大統領の決定のもと、創作活動などの分野における民間人の「卓越した功績」を政府が表彰する。北野監督は99年にシュバリエ、10年にコマンドールをフランス文化通信省から授与されているが、それを超える栄誉といえる。

フランスのジャック・ラング元文化相は「芸術ジャンルの限界をやすやすと乗り越え、演劇、テレビ、映画、文学などの約束事を変革して、現代のアートシーンに影響を与えてきた」との受章理由コメントを寄せた。

北野監督にとってフランスは思い出の地。カンヌ国際映画祭初参加となった99年、「菊次郎の夏」の公式上映後、約5分間のスタンディングオベーションを受け感涙。2010年には、パリ市のカルティエ現代美術財団で展覧会「絵描き小僧」も開いた。

今回の叙勲式は現地時間25日にカルティエ現代美術財団で行われる。6年ぶりに同所を訪れる北野監督は、式に参加後、会見する予定。「これからも自分のスタイルを守りながら、さまざまな仕事に精進してまいります」とコメントした。叙勲式当日は、どんな喜びの声が飛び出すか。

レジオン・ドヌール勲章

ナポレオンによって1802年5月19日に創設された、フランスの最高勲章。文化・科学・産業・創作活動などの分野における功績を表彰する。章には等級があり、最高位から順にグランクロワ、グラントフィシエ、コマンドール、オフィシエ、シュバリエ。日本人のグランクロワ受章者には伊藤博文、大隈重信らがいる。

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