北限の「気仙茶」いつか2人でおいしい紅茶を 海道を行く 復興ロード530キロ

「2人でおいしい紅茶を作りたいね」。岩手県陸前高田市の福田光輝さん(35)と妻敬子さん(37)が、広田湾を望む茶畑で茶葉を摘み取りながら夢を語り合う。

 夫妻は昨年末、結婚を機に仙台市から移り住んだ。地元の観光企画会社に勤める福田さんは、特産の気仙茶を使った紅茶の商品化を目指している。先月末、地元であった茶摘み作業を初めて手伝った。

 「海に面した豊かな自然と移住者に優しい土地柄に引かれた」と2人は言う。

 市内の茶畑は東日本大震災の津波で被害を受けた。「伝統を絶やすまい」と、地元有志が2012年、「北限の茶を守る気仙茶の会」を発足させた。19年から緑茶も販売する。

 気仙茶は潮風から豊富なミネラルを吸収して香り高く育つ。「紅茶にすれば風味がさらに引き立つはず」と宮城大大学院で発酵を学んだ福田さん。敬子さんと二人三脚で「メードイン陸前高田」の新たな逸品を思い描く。(写真映像部・佐藤将史)

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