東日本大震災の復興支援としてイタリアから宮城県亘理町に贈られたオリーブが収穫期を迎え、地元の幼稚園児が29日、摘み取りをした。
同町祝田の農業千葉一郎さん(78)が2012年から栽培し、3メートルほどに育った10本に約4000粒の実が付いた。29日は千葉さん宅近くの「いちょうの実幼稚園」の園児約50人が訪れ、緑色の実を摘み取った。
園児らは「こっちにたくさん実っている」などと歓声を上げ、収穫を楽しんだ。千葉さんは「好天が続いてうまく育った。オリーブに関心を持ってくれたらうれしい」と目を細めた。
オリーブはイタリアから贈られた苗200本を活用。町の新たな特産品づくりを目指し、亘理地区まちづくり協議会の呼び掛けに応じた千葉さんら町内農家が栽培に携わる。
収穫した実は塩漬けなどにする予定。来年以降はさらに多くの収量が見込め、目標の搾油を目指す。まち協によると、オリーブの収穫まで成功したのは国内では亘理が北限だという。