医学部 東北薬科大に 文科省審きょう決定

 東北への大学医学部新設で、文部科学省の構想審査会(座長・遠藤久夫学習院大経済学部長)が、東北薬科大(仙台市青葉区)が申請した「東北医科薬科大」を選定する方向で調整していることが27日、関係者への取材で分かった。
 28日開かれる審査会第5回会合を経て、文科相が新設先を正式決定する見通し。医学部新設は1979年の琉球大が最後で、37年ぶりになる。
 審査会は医学教育の専門家ら12人で構成。関係者によると、委員の間では宮城県が申請した「宮城大医学部」を推す声もあり、意見が分かれた。審査会は両者とも不十分な点があるとみて、条件を付けた上で東北医科薬科大を選ぶ見込み。
 東北への医学部新設をめぐっては2011年1月、財団法人厚生会仙台厚生病院(青葉区)が構想を発表。東日本大震災後、宮城県や東北市長会などからの要望を踏まえ安倍晋三首相が昨年10月、下村博文文科相に新設の検討を指示した。
 審査会はことし6月に初会合を開催。構想応募書など書類の検討や関係者へのヒアリングなどを重ね、東北薬科大と脳神経疾患研究所(郡山市)、宮城県の3者から提出された構想を絞り込む作業を進めてきた。
 選定された大学は来年3月、大学設置・学校法人審議会に設置認可を申請し、夏ごろに正式に認可される見通し。
[東北薬科大]1939年創立。59年にがん研究所(現・分子生体膜研究所)、62年に大学院をいずれも私立薬科大として初めて設置。2013年には単科薬科大初の付属病院(22診療科、466病床)を仙台市宮城野区に開設した。学科は6年制の薬学科(定員1800人)と4年制の生命薬科学科(定員160人)。卒業生の総数は2万人を超え、東北地方の病院薬剤師の48.3%を同大出身者が占める。

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