南三陸で道の駅「さんさん南三陸」着工 震災伝承、交通の拠点に

宮城県南三陸町は12日、東日本大震災で被災した志津川地区の中心部に整備する道の駅「さんさん南三陸」の工事安全祈願祭を、現地で行った。町の震災伝承施設「南三陸311メモリアル」が入る駅舎や、バス高速輸送システム(BRT)の停留所となる公共交通ターミナルを新築する。完成は2022年2月の予定。
 既に開業している南三陸さんさん商店街も道の駅の一角に含まれ、今後は隣接地1万1276平方メートルに駅舎などが整備される。
 震災後の志津川市街地のデザインを手掛けた建築家の隈研吾氏が設計を担い、工事費は約13億円を見込む。震災伝承と観光交流、交通拠点の機能が期待される。
 関係者約50人が出席して神事を執り行い、工事の安全を祈った。佐藤仁町長は「道の駅は町の顔になる。震災の記憶を伝え、防災や減災を考える場にしたい」と述べた。
 隈氏は「町の復興の歩みを未来につなげる施設になると確信している」と話した。
 駅舎は鉄骨一部2階で、志津川湾を望む展望デッキを設ける。八幡川を挟んだ対岸には、震災復興祈念公園が広がる。

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