南三陸の間伐材グッズ好調 新工場広さ4倍

国産材を使ったノベルティ(販売促進品)の製造販売を手掛けるフロンティアジャパン(東京)が、宮城県南三陸町入谷の工場を地区内で移転し、新工場で操業 を始めた。同町産のスギ間伐材などを使った製品の受注が好調で、手狭になった工場を約4倍の広さに拡大した。森林環境の保全に貢献しながら、被災地の雇用 創出も目指す。
新工場は閉鎖された自動車部品工場を再整備し、設けた。木造平屋で広さ約260平方メートル。パソコンからデザインのデータを取 り込み、自動で切断した木板に彫刻を施せるレーザー加工機を6台備える。企業が自社商品などのPR用に配布するしおりや動物型のストラップといったノベル ティを1日最大約1万個生産できるという。
同社は被災地を支援しようと2012年3月、地域のキャラクター商品を手掛ける同町の「入谷Yes工 房」の事務所兼作業所の一角を借り、工場を設けた。震災で仕事を失った町内の7人を雇用。素材には津波で塩害を受けたスギを積極的に使った。取引先は約 500社に上り、受注が増えて工場が手狭になっていた。
パート従業員の佐藤久美江さん(51)は「年齢的に再就職は難しいと思っていたので、雇ってもらえてありがたかった。有名企業のグッズを作る仕事はやりがいがある」と話す。
額賀泰尾社長は「被災地支援に携わろうという企業が多く、需要が伸びている。工場移転をきっかけに将来的にさらに雇用を増やしていきたい」と話す。

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