南三陸・道の駅 隈研吾氏が設計概要説明「海と山、過去と未来をつなぐ船のように」

宮城県南三陸町は19日、東日本大震災で被災した南三陸町志津川の中心市街地に整備する道の駅について、基本設計の概要に関する住民説明会を町総合体育館で開いた。設計を担う隈研吾建築都市設計事務所を主宰する隈研吾氏が、震災伝承施設が入る駅舎の設計や交通エリアの配置を提案した。
 計画では国道45号付近の南三陸さんさん商店街隣接地に駅舎を建設し、周辺には駐車場、バス高速輸送システム(BRT)などの公共交通ターミナルを整備する。駅舎やターミナルなどの敷地面積は合わせて約6700平方メートル。駅舎には震災伝承施設のほか、交通情報発信や観光交流センターの機能が入る。
 説明会には住民ら約80人が出席。隈氏はL字形の駅舎のイメージ図を示し「海と山、過去と未来をつなぐ船のような建築にした。つながりが一番のテーマ」と説明した。
 駅舎の外壁は木造のさんさん商店街と調和を図るため、同様に南三陸杉を使う予定。一部が2階建てで、対岸にある震災復興祈念公園や志津川湾を望む展望デッキを設ける。
 隈氏は震災後の志津川市街地のグランドデザインを担い、さんさん商店街の設計を手掛けた。「伝承施設は南三陸の復興の集大成になる。さんさん商店街や(建設中の)中橋との回遊性が生まれ、全体がつながればいい」と述べた。
 道の駅は既に開業しているさんさん商店街を含む。駅舎の開業は2021年4月を目指していたが、中橋の工事の影響で同年秋になる見込み。説明会では震災伝承施設の展示計画も示された。

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