南三陸町志津川市街地グランドデザイン 隈研吾氏に作成依頼

宮城県南三陸町は19日、東日本大震災で壊滅した志津川市街地の一部の具体的な土地利用の設計となるグランドデザインの作成を、建築家の隈研吾東大教授に依頼したと発表した。対象は観光や商業の拠点としての復興を目指す八幡川左岸地区で、デザインは来年3月末までに示される予定だ。
 町は同地区を「早期まちびらきエリア」として、先行的にかさ上げ工事を進め、15年度前半に造成を終える予定。換地で町有地化し、復興を先導するような施設の立地を目指している。
 デザインの契約は17日付で、隈氏が率いる隈研吾建築都市設計事務所(東京)と1092万円で結んだ。対象範囲は明確に定めていないが、早期まちびらきエリアの周辺を含む10ヘクタール程度になる見通し。
 町は志津川市街地の約60ヘクタールを対象にした復興事業全体を、都市再生機構に委託していた。左岸地区のグランドデザインについては機構との契約を減額した。
 佐藤仁町長は「隈氏は世界が注目する建築家で、復興に弾みがつく。交流人口が拡大する素晴らしいプランを期待している」と話した。
 町は町内最大の防災集団移転となる志津川地区について、入居予定者を確定させる「登録」を来年1月中旬~2月末に行うことも明らかにした。
 現在はことし2月の意向確認に基づき、東、中央、西の3カ所に計435戸の整備を計画している。町復興市街地整備課は「非常に重要な手続き。2月時点で迷っていた方もまだ受け入れられるので登録してほしい」と呼び掛けている。

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