南海トラフ地震、学者は予知できると思わず 関大アンケ

南海トラフ地震を予知し、発生前に情報を発表できる確率は5・8%――。地震学者が、地震予知を極めて難しいと考えていることが、関西大の林能成教授(地震学)のアンケートから分かった。

 南海トラフ地震をめぐり、異常現象が確認されるなどして発生の恐れが高まると、気象庁は「臨時情報」を発表することになっている。

 林さんは日本地震学会の理事と代議員90人から、(1)そもそも地震前に異常現象があるか(2)その異常を観測できるか(3)地震の恐れが高まったと短時間で判定できるか(4)判定後すぐ発表できるかについて、経験や直感から確率を聞いた。

 その結果、(1)〜(4)に成功して地震発生の恐れを事前に発表できると学者が考えている確率は平均5・8%だった。その予知が当たって実際に地震が起きる確率は19・7%。結局、地震を予知し実際に起こる確率は1・14%という認識だった。

 林さんは「学者は予知が難しいと考えている。予知の成否にかかわらず、日頃から対策をしておくことが大切だ」と指摘する。(桑原紀彦)

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