博報堂DYメディアパートナーズ(東京都港区)は、紙媒体の編集紙(誌)面や広告、店頭ディスプレーなどに表示された専用の枠をマーカーとして利用するスマートフォン(高機能携帯電話)向けAR(拡張現実)ビューワー「pARalell(パラレル)」を開発した。スマートフォンを紙などにかざすことで、カメラで撮影された紙面とともに、動画や3D(3次元)コンテンツなどデジタル情報を閲覧できる。第1弾として、幻冬舎の「GOETHE(ゲーテ)」7月号で展開した。
2次元バーコードを認識してインターネットからその都度デジタルコンテンツを表示する技術があるが、接続に長時間を要す場合がある。パラレルは、あらかじめ媒体用のアプリケーションをダウンロードしておき、枠に合わせてスピーディーにコンテンツを表示するという。ただし、大容量になる動画はかざしてからダウンロードする。
紙面での情報に連動して、商品などを360度回転させて見ることのできる3D表示技術も搭載。モバイルコンテンツを制作するスペースアウト(東京都三鷹市)の技術協力を得て開発した。
企業サイトやキャンペーンサイトへの接続、オリジナルアプリのダウンロードなども面倒な操作なしにできる。紙面に載りきらない情報やウェブでしか見られない情報をスマートフォンで見られ、広告主と媒体社の双方がメリットをもてるとしている。
アップルの高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」対応だが、今後は他のスマートフォンにも対応していくという。