新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ゴールデンウイーク中のイベントで国内最大規模の人出を見込む福岡市の「博多どんたく港まつり」の中止が30日、決まった。5月3、4両日に予定されていたが、例年200万人以上が集まるため、福岡商工会議所などで作る主催団体が全国的な感染拡大につながる恐れがあると判断した。
現在の形となった1962年以降、中止は初めて。30日に記者会見した主催団体会長の藤永憲一・福岡商工会議所会頭は「開催したい気持ちはいまだに強いが、今準備にかかること自体、集団感染のリスクがある。ビッグイベントを開催する構図はどうしても描くことができない」と話した。
一方、どんたくの源流とされ、同時期に行列や舞を披露する国の重要無形民俗文化財「博多松囃子(まつばやし)」は、保護団体が実施の意向を示しているという。【加藤小夜】