即席ラーメンから発がん性物質も!福島産よりも危ない韓国食材

(石井 友加里:韓日・日韓翻訳家)  韓国人の福島産食材に対する拒否反応は相変わらず根強い。東日本大震災後、韓国では「日本産の食材は無使用」と張り紙が貼られたレストランがよく見られた。福島第一原発事故から10年がたった現在も、韓国は福島県を含む近隣8県産の水産物を禁輸している。 韓国代表が独自に設けた給食センターの弁当(写真)  それを如実に表すように、韓国は福島原発の放射能汚染水を浄化した「処理水」の海洋放出に反対姿勢を見せ、東京五輪の開催前には反日団体が「放射能五輪ボイコット」キャンペーンを行った。東京オリンピック開催中は、大韓体育会が韓国代表選手団に「安全な」食事を提供する目的で給食支援センターを設けている。  そんな中、韓国で食の安全を検査する食品医薬品安全庁(食薬庁)が、国外向けに製造された即席ラーメンから有害物質が検出されたことを公表。韓国で流通する食品の安全が論議される事態になった。  もっとも、韓国では食品から検出される発がん物質や異物混入、衛生管理については過去にたびたび問題視されている。韓国における食の安全はどうなっているのだろうか。  食薬庁によると、欧州連合(EU)の食品飼料緊急警報システム(RASFF)で有害物質が検出されたラーメンは、韓国を代表する2大即席ラーメンメーカーの商品だった。2社の特定商品を調べたところ、野菜フレークと麺、スパイス粉末から2-クロロエタノール(2-CE)の含有が判明した。2-CEは、皮膚に取り込むと毒性があるため、劇物扱いになっている。食薬庁は製造業者の工場を調査し、結果が分かり次第公表する予定だ。  韓国の即席ラーメンに関しては、過去にも自主回収騒ぎがある。

■ 即席ラーメンから検出された発がん性物質  2012年には、一部商品の粉末スープから基準値を超える発がん性物質「ベンゾピレン」が確認され、食薬庁が該当5製品の自主回収を命じた。ロンドン五輪(2012年)の韓国人メダリストが愛してやまない即席ラーメンも含まれている。金メダルを獲得した選手に対し、製造企業が一生分のラーメンを提供すると申し出た商品である。  2013年には、輸出用の即席ラーメンがトルコの通関で差し止められた。理由は、遺伝子組み換え型(GMO)の大豆成分が検出されたにも関わらず、原材料表記がされていなかったためだ。遺伝子組み換え食品は、発がん性物質のように有毒ではないが、人体への安全性を憂慮する声も多く、賛否両論があるのが現状である。  即席ラーメンは、言わずと知られた韓国の国民食。韓国では生麺や冷凍麺の普及が遅れているため、今もキンパム(海苔巻き)の店やチゲの最後にインスタント麺を入れて食べる。普通の食堂にも即席ラーメンのメニューがあるほどだ。  食薬庁は「国内向け商品に問題ない」と発表しているが、今回の即席ラーメンにおける発がん性物質は相手国のスクリーニング検査で明るみに出たもので、韓国側の検査によるものではない。韓国で頻繁に抜き打ち検査が実施されていれば、どうなっていただろうか。  食品の安全に敏感な韓国人が多い中、過去の事例にしろ、今回の2-クロロエタノール検出にしろ、「海外向けだから関係ない」と片付けられる問題ではない。  そもそも韓国の食品衛生問題や異物問題は、即席ラーメンに限った話ではなく、事例は以前より後を絶たない。消費者が全員通報しているわけではないことを考慮すると、明るみに出たのは氷山の一角かもしれない。

■ 容器の底にカビが生えたコーヒー飲料  2021年7月に、容器内側の底にカビが生えたコーヒー飲料を飲用した消費者が通報、食薬庁が調査に乗り出した。消費者によると、ボトルの底にゼリーのようなカビが付着していたが、そのまま飲用したところ、翌日未明から腹痛と下痢を繰り返したそうだ。病院での診断で菌が原因であることが分かった。  メーカーは当初、流通や保管の問題と顧客に説明していたようだが、結局ボトル容器にコーヒーを注入する過程で不具合があったことを認めた。  コーンフレークやスティックコーヒーに木屑のような異物やビニール、虫などが混入して問題になったこともある。2016年の食薬庁の資料を見ると、製造元の食品会社は食品への異物混入の通報事例が最も多い企業として名前が上がっている。異物を発見した消費者が謝罪を受けることはなかったという。  外国産の乳幼児用の粉ミルクを扱うメーカーも、これまでに数回、ミルク缶への異物混入事件を起こしている。企業は「製造上の問題はない」という立場を貫き、商品の回収には応じていない。  また、コロナ禍の韓国では飲食店の出前利用者が急増したが、出前の衛生問題も浮上している。  飲食店の個人事業者が増える中、配達された食品に髪の毛や虫、ゴミなどが混入しているという理由で食薬庁に通報するケースが増えているという。出前アプリの「異物通報制度」を利用した通報は、2019年は1500件強だったが、2021年は既に2800件を超えた。  これらの事例には、顧客に「作っているところを見られないから大丈夫」と言わんばかりのずさんな管理体制があるようだ。

■ 福島産より自国の食品の方が高リスクでは?   一方、韓国は福島の放射能汚染を警戒している。  日本では福島の原発事故から10年がたった。国際原子力機関(IAEA)による視察は4回を数え、除染の進捗や廃炉への工程など、現在の福島第一原発の状況は随時、公開されている。日本の地道な情報開示の甲斐もあり、福島産の食品に対する規制を緩和し、撤廃する諸外国は増えつつある。  しかし、韓国は厳しい輸入規制を続けている。処理水の海洋放出は、韓国を含む海外の原子力発電所でも実施されている。韓国原子力学会でさえ、福島原発の汚染水を「処理水」とし、放射能の危険をあおらないように主張しているが、韓国国内での風評はなかなか変わらない。  復興五輪である東京五輪では、選手村の食事に福島産の食材を使ったり、被災地産の生花でメダリストに渡すブーケを作ったりした。ところが、韓国ではそれらさえ放射能不安をあおる材料である。  日本政府は韓国政府やメディアに対し、福島関連の正確な報道を求めているが、反日傾向が強い現政府が態度を変える様子はなく、国民意識も変わらない。  だが、前述したように、異物混入事件や毒性物質の検出、産地偽装問題や使用期限切れの食材の使い回しは韓国では日常茶飯事である。摘発された業者は処分を受けるが、事例を見ると被害を受けた消費者対応はまるで二の次だ。  8月17日にも、当局が食品衛生法違反の容疑で韓国マクドナルドを捜査中だという報道が出た。新たな賞味期限のシールを上から重ねて貼る方式で廃棄対象の食材を再使用したという。グローバルなファーストフード大手であっても、韓国に進出すると商品管理の意識が低くなるのだろうか。  食の安全や消費者対応を疎かにする意識が、韓国社会の根底にあるように思われてならない。そして意外性がないからか、これらの問題は報道で大きく騒がれずに過ぎていく。本当に国民の健康を憂慮するなら、福島よりも韓国で流通する食品の安全対策が先決だろう。

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