北海道・日高管内東部沖でオオズワイガニが大量発生している問題で、道は21日、資源調査や食品加工原料として利用できるかを検討する調査を、今後3年かけて実施する方針を明らかにした。カニの多くが小ぶりで商品価値は低いものの食味は良く加工業者への販路拡大など有効活用策を模索する。 【動画】ヒグマ 走行車両を威嚇 50秒追いかける 新冠で読者撮影 日高中央漁協(本所・浦河町)によると、今年に入ってから大量発生し、カレイ漁の刺し網を切ったり網に絡まったりしてカレイが取れなくなるなどの影響が出ている。同漁協は道から特別採捕許可を得て、今月12日からかごを使った集中捕獲を開始。20日までに8・6トンを水揚げしたが、大半は甲幅が8センチに満たず市場に流通できていない。 道の近藤将基水産局長は21日に開かれた道議会水産林務委員会で「オオズワイガニは越前ガニなどの高級ガニと食味が近いとされている」と述べ、有効活用する考えを強調。日高中央漁協に出した特別採捕許可を26年3月末まで延長して資源分布を調べるとともに、加工会社への販路拡大などに取り組むとした。 道によると、オオズワイガニは水深200メートル前後の海底に生息し、道内では太平洋沿岸で年間で約200トンの水揚げがある。1983~87年にかけて胆振管内で大量発生し、86年に過去最高の2300トンの水揚げを記録した。