時事通信社が大阪、京都、滋賀、奈良、和歌山、兵庫の近畿2府4県で2012年10月に実施した「くらしと環境に関する世論調査」で、「原発は不要」との回答割合が前回調査(11年9月)比5ポイント増の43%、「必要」が同4ポイント減の39%となった。「不要」が「必要」を上回ったのは、原発の必要性を質問項目に入れた02年調査以降初めて。
「不要」の理由(複数選択)では、「事故が起きれば大被害になる」(83%)が最も多く、「放射性物質が発生」(70%)、「放射性廃棄物の処分場がない」(65%)が続いた。
「必要」の理由(複数選択)では、「再生可能エネルギーなどの開発進展までは原発に頼らざるを得ない」(72%)がトップ。「節電は根本的な電力不足の解決にならない」(49%)、「原発停止は日本経済に悪影響」(47%)が上位に並んだ。
原発は不要との回答が増えた背景には、東京電力福島第1原発事故を機に原発への不安が高まったことに加え、近畿圏に電力を供給している関西電力の原発全11基のうち再稼働が大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の2基だけでも、深刻な電力不足が懸念された昨夏を乗り切れたことがあるとみられる。