制服のように学校が使用を義務づける携帯電話「制携帯」を今年度から導入した須磨学園中学・高校(神戸市須磨区)の生徒会が20日、報告会を行った。生徒や教員、保護者に実施したアンケートも公開し、利用方法について議論を交わした。
携帯電話をめぐっては、未成年者のトラブルが多いことなどから使用を禁止する学校が主流だが、同学園は正しい使い方を教えようとあえて導入を決定した。
同学園の携帯電話は定額制で、生徒や教員間の通話は無料。ウェブサイトの利用時間や閲覧に厳しい規制を設け、家出など緊急時には保護者と学校が相談の上、生徒の履歴も確認できる。学園は制携帯を使って情報教育に取り組んでおり、他の学校から相談も寄せられているという。
制携帯は中学1年と高校1年、教員に配布し、初年度は希望者を含め約400人が使用している。
報告会は、中学校の生徒会が主催。生徒会長(15)が「規制が厳しすぎるけど、制携帯のおかげで先生に相談しやすくなった」と率直な感想を話した。
報告会前に行ったアンケート調査では、ほとんどの保護者が制携帯に肯定的で、9割が規制を「適度」と回答。西泰子理事長は「制携帯はまだできたばかり。運用しながら規制や機能については改善を重ねたい」と話した。