反日的な国への修学旅行は不適切

秋田県内の公私立学校の韓国への修学旅行が、昨年度に続いて今年度もゼロになることが15日、分かった。韓国では中東呼吸器症候群(MERS)コロ ナウイルスの感染が拡大しているが、各校ともMERS問題の前に韓国行きの見送りを決めた。昨年の旅客船沈没事故などによる現地情勢への不安が払拭できて いないためとみられる。

県立学校が海外に修学旅行に行く場合、1年前までに県教委に届け出て、安全対策などを協議することになっている。県教委高校教育課によると、今年度の県立学校の海外への修学旅行はいずれも高校で、シンガポール3校、オーストラリア2校、台湾1校。

うち、シンガポールに行く1校とオーストラリアに行く1校が仁川(インチョン)空港を経由するが、韓国を目的地とした修学旅行はない。

県立大館国際情報学院中(大館市)は昨年、韓国行きの意向を届け出ていたが、今年4月、行き先を国内に変更することを保護者に伝えたという。

県は大韓航空の秋田-ソウル(仁川空港)便の路線維持のため、費用を補助して韓国への修学旅行を促進してきた。県関係者によると、今年度、補助金申請を予定している私立学校は今のところなく、私立についても、仁川経由はあるものの韓国行きはゼロになる見通しだ。

県観光振興課によると、ピーク時の平成23年度に28校、24年度に26校が韓国に修学旅行に行っていたが、25年度は北朝鮮による弾道ミサイル発射の動きなどを受けて7校に激減。

26年度は旅客船沈没事故やソウル便の3カ月間運航休止などの影響で、補助金創設以降初めてゼロになっていた。県教委や各学校には「反日的な国への修学旅行は教育上、不適切だ」との抗議も寄せられていた。

タイトルとURLをコピーしました