29日午前10時前、鹿児島県の口永良部島で噴火があった。気象庁は5段階の噴火警戒レベルを最も高いレベル5に引き上げ、地元の屋久島町は住民の全島避難を指示した。
気象庁によると29日午前9時59分ごろ、口永良部島の新岳で噴火が発生した。気象庁は5段階の噴火警戒レベルを居住地域でも避難が必要なレベル5に引 き上げて厳重な警戒を呼びかけている。屋久島町は午前10時15分、島民全員に対し、口永良部島からの全島避難を指示した。住民を島の番屋ヶ峰という高台 の建物に集めているという。
番屋ヶ峰に避難している朝倉康文さん「仕事をしていたら音がしたので外に出たら噴煙が上がっていた。そのまま車ですぐに避難しました。一度噴火しているので、高台に逃げるということで町として把握していたので、みなさんすぐに避難した」
気象庁は会見を行い、火砕流が火口から西の方向に流れ、一部が海岸線まで到達したのを確認したとしている。さらに、噴火の規模などからマグマが関与した噴火の可能性があるとして、今回と同じ規模の噴火が今後も起こるおそれがあるという。
一方で、気象庁は去年8月の口永良部島の噴火を受けて、噴火警戒レベルを3に上げて職員を現地に常駐させるなど、監視態勢を強めていた。
また、海上保安庁によると、噴火でケガをした住民1人を鹿児島県の防災ヘリで輸送中という。現在は噴火直後に比べて噴煙の量などは減っているが、依然として噴火が続いており、気象庁は火砕流の発生や大きな噴石の飛散に厳重な警戒を呼びかけている。