2014年の仕事始めとなった6日、東北の6知事は年頭訓示や記者会見で新年の抱負を語った。岩手、宮城、福島の3知事は東日本大震災の被災者の生活再建支援や帰還対策に取り組み、古里再生への決意を強調。ほかの知事も産業振興に力を入れる姿勢を示し、職員の活躍を促した。
達増拓也岩手県知事は、被災者との懇談のため出向いた釜石市から庁内テレビシステムで訓示。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」を例に「地域に埋もれた宝を磨き、地域振興を実現する『アマノミクス』を実践し、明るく力強い復興を進めよう」と語った。
村井嘉浩宮城県知事は県庁で職員に訓示。仙台空港の民営化や東北への大学医学部新設といった将来を見据えた復興の重要性を挙げ、「県民とともに、民の力を最大限に活用する創造的な復興の実現に挑戦していこう」と呼び掛けた。
福島第1原発事故からの再生を目指す佐藤雄平福島県知事は記者会見で、新年を「新生ふくしま胎動の年」と位置付けた。双葉郡など避難地域の復興を最優先課題に掲げ「古里に帰りたいとの思いを実現できるよう全力で取り組む」と強調した。
三村申吾青森県知事は記者会見で農業、生活、環境の3分野を成長産業に据え、力を入れる考えを表明。「県産品の輸出や再生可能エネルギーの導入を促進し、産業振興を図りたい」と意気込みを述べた。
佐竹敬久秋田県知事は県庁で訓示し、大きな県政課題として農業への対応を挙げた。「国への提言など、国のコメ政策見直しへの対応をしっかりと進める。県民の理解を得られる農業政策を進めないといけない」と目標を語った。
吉村美栄子山形県知事も訓示で、サクランボ、ラ・フランスなど県産農産物の一層のブランド化を目指す方針を強調。「産業振興と地域再生の視点を重視し、自然と文明が調和した理想郷山形を目指そう」と語り掛けた。