台湾、「香港難民」受け入れ整備へ=「法治に傷」と非難

【台北時事】中国全国人民代表大会(全人代)で28日、香港に国家安全法を導入する方針を採択したのを受け、対中政策を所管する台湾の大陸委員会は「民意を無視し、野蛮なやり方で香港の自由民主と法治を著しく傷つけた」として中国共産党に「強烈な非難」を表明した。同法導入で反政府活動が厳しく摘発されると、香港からの政治難民が増えると見込まれるため、受け入れ態勢の整備を急ぐ方針だ。

 台湾政府は法律で、政治的迫害を受けた香港とマカオ住民に、必要な支援を与えることが義務付けられており、香港で昨年激化した反政府抗議活動に参加した若者らも受け入れてきた。

 今後はさらに多くの香港市民が台湾への移住を希望すると予想され、蔡英文総統は27日、人道支援を強化すると表明。大陸委員会は、来週中にも具体策を取りまとめる方針だ。

 香港人と台湾人の学生団体は28日、台北中心部の香港政府出先機関「香港経済貿易文化弁事処」前で記者会見し、「悪法を強引に推進した」として中国当局を非難。その上で、台湾政府に香港市民を保護する取り組みを着実に実行するよう求めた。 

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