台風15号からまだ半年、新型コロナ「千葉にダブルパンチ」

千葉県の各地に大きな被害をもたらした昨年9月の台風15号の上陸から9日で半年となる。同県内では、台風被害の復興がこれからというところで新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。県中小企業家同友会と東京商工リサーチが新型コロナウイルスの影響について県内企業からアンケートしたところ、同友会の調査に「マイナス影響が出ている」「今後の影響が懸念される」と計75%が回答。商工リサーチには「すでに影響が出ている」「今後影響が出る可能性がある」と計70%が企業活動への影響をあげた。同友会や商工リサーチ千葉支店は、新型コロナウイルスの問題は「千葉県にはダブルパンチ」と分析している。

 県中小企業家同友会のアンケートは先月26日から今月4日に実施し、会員231社から回答を得た。そのうち「マイナス影響が出ている」(75社32%)「今後マイナスの影響が懸念される」(97社43%)と回答、大多数の企業に影響が及ぶ結果が出た。具体的な影響では複数回答で「売り上げ・客数の減少」が113社と最多。

 商工リサーチの調査は先月7日から16日に行い、千葉県内277社が協力。「すでに影響が出ている」(58社20・9%)「今後影響が出る可能性がある」(136社49・1%)と回答した。「今後影響が出る可能性」に回答した業種では、運輸業や製造業、観光などのサービス業が目立った。

 商工リサーチ千葉支店の担当者は「9月の台風で大きなダメージを受け、それでも何とか立て直そうとしていた矢先に新型コロナウイルスの問題が起き、千葉県は深刻だ。ある会社は『4月までこの状態が続くとつぶれる』ともらしていた」と話す。同友会の担当者も「復興がこれからというときのタイミングで新型コロナウイルスが発生し、先行きが不安との声がある」と指摘した。

 昨年9月9日未明に千葉市付近に上陸した台風15号は同市で観測史上1位の最大瞬間風速57・5メートルを記録。県内で電柱や電線の損傷により最大約64万軒の停電が発生。住宅や農林水産業などに甚大な被害を与えた。気象庁は先月、「令和元年房総半島台風」と命名した。

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