名取・閖上が舞台 映画「ふしぎな石」完成 仙台で試写会

東日本大震災の津波で被災した宮城県名取市閖上を舞台とした自主製作映画「ふしぎな石」の完成試写会が1日、仙台市内であった。監督を務めた名取市の心療内科医桑山紀彦さん(50)らが舞台あいさつし、「津波で大きな被害にあった地域が頑張っている姿を伝えたい」と作品に込めた思いを語った。
 主演は名取市閖上小6年の佐藤里咲さん(11)と板橋冬馬君(11)、同小4年の南部陽向(ひな)さん(9)と菊地一花さん(9)。
 4人が閖上小で見つけた暗号文をもとに、五つの石のかけらを探し集めると、天から震災犠牲者のメッセージが届くというファンタジー作品に仕上げた。
 閖上地区の大人4人も出演し、子どもたちとの出会いを通じて被災体験や古里への愛着を伝えるノンフィクションの要素も盛り込んだ。桑山さんは作品を国内外の映画祭に出品する考えを示し、「子どもたちの素晴らしい心が、被災地の大人の背中を押している。その様子を世界に広めたい」と強調した。
 作品は、桑山さんが代表理事を務めるNPO「地球のステージ」(名取市)の製作で、日本国際民間協力会「NICCO」(京都市)が撮影などに協力した。両団体が子どもの心のケアを目的に2012年に製作した作品の完結編として、ことし5~8月に撮影した。

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