命令形のCMが気になる。

ポカリスエットのCMが目立つ。テレビで見て、一瞬惹かれた。音楽のWE WILL ROCK YOUはCMで幾度となく使われているけれど、ビジュアルのつくり込みもしっかりしている。なんといっても、久しぶりに「青春のポカリ」という王道に帰ってきたと思う。

と、書いたところでこれが相当に「年寄りの感慨」であることに気づく。

ポカリスエットは、僕が高校の発売された。まったく新しいカテゴリーの飲料だったのでよく覚えている。しかしこの飲み物も、自分たちの年代にとっては「熱中症予防」や、病中の「脱水予防」のためのものになっているのかもしれない。

そういうつもりで買ったことはないが、と書いて気づいたがそもそも最近はこうしたドリンクすら買っていない。
で、ふと気づいたんだけど、この広告は「命令形」で構成されている。しかも、大人から若者への命令だ。校長先生が歌い出し、「好きにやれよ」「世界を動かせ」と字幕が出て、最後も「潜在能力をひき出せ」という命令形だ。

当たり前だが、命令形は強い。ただし、企業が顧客に「命令」するというのは、よく考えると妙なところもある。

で、ふと気づくと東京海上日動にも命令されてた。「負けるな、挑戦者たち」と。これ、結構駅貼りとかでもガンガンやってるから、気になった人もいると思う。命令形じゃないコピーにしても、なんだか凄い力こぶだ。文字とナレーションだけなのに、これほど「マッチョなCM」も久しぶりに見た気がする。

おそらく、採用活動を意識していると思うけれど、さてどうなんだろう。

大人が、若者に希望を託すというのは別に悪いことじゃないんだけれど、じゃあ言われる側の若い人はどう感じるんだろうか。

別にコピーなんかどうでもよくって、「あのポカリのCMの子、かわいいよね」ってことの方が大切なのかもしれない(ていうか、フツーそうだろうな)。

いずれにしても、命令形や断定形のコピーを伴う広告は、増えていくように思う。そういう「威勢の良さ」というのが時代の気分なのかもしれないが、口先だけだったら何でも言えちゃうことはたしかだ。

なんていうことを考えてたら、株価は2万を越して、ドローンは官邸に落ちた。さて、日本の潜在能力はいったいどこに向かうのか。

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