2017年に宮城県で初開催される和牛品評会「第11回全国和牛能力共進会」について、県実行委員会は30日、仙台市を会場とする方針を固めた。宮城開催が決まった10年以降、栗原市や利府町など6市町が誘致を目指していた。11月1日の実行委総会の了承を経て、主催者の全国和牛登録協会が同下旬に京都で開く理事会で正式決定する。
会場には、ともに宮城野区の夢メッセみやぎと、市中央卸売市場食肉市場の2カ所を充てる。選考では、会場の広さや交通アクセスの利便性、宿泊の受け入れ態勢などを重視した。
体形の良さなど改良成果を月齢別に審査する「種牛の部」は夢メッセが会場となる。枝肉の状態で脂肪の入り具合などを比較する「肉牛の部」は食肉市場で開く見通し。
共進会は5年に1度開催され、「和牛のオリンピック」と呼ばれる。全国から約500頭が集まって肉質などを競い、優秀な成績を収めると種牛やブランドの市場価値が高まると言われる。
長崎県で12年にあった前回の共進会では、佐世保市のメーン会場に5日間で40万人以上が来場した。大きな経済波及効果が見込まれることから、宮城県内の各市町が誘致を競っていた。
県や県農協中央会など81団体は12年7月、実行委をつくり、準備を進める。肉質などで県内の歴代最高成績を上げ、基幹種雄牛に本年度選ばれた「好平茂(よしひらしげ)」を活用し、仙台牛の上位入賞を目指す。
実行委は「県の畜産業を活性化させ、東日本大震災からの復興を全国に発信する機会になる。ぜひ成功させたい」と強調する。