啄木と賢治がつながる手紙 函館で朗読劇邦楽とコラボ

石川啄木と宮沢賢治の文芸作品と和太鼓演奏をコラボした朗読劇が21日、北海道函館市の市文学館であり、文芸ファンら約50人が参加した。
 同館の主催。宮城県美里町の邦楽作曲家で音楽プロデューサー佐藤三昭さん(52)が作曲し、佐藤さんの弟子の童話作家高橋リサさん(33)=北海道七飯町=がシナリオ構成を担った。チェロ奏者の熊谷裕史さん(51)=宮城県美里町=や北海道のコーラスグループなどが出演した。
 10歳違いの啄木と賢治は20代の一時期、函館市を訪れたが、直接の接点はない。朗読劇は、啄木が後輩の賢治に手紙を送ったとの架空の設定で進められた。
 啄木の歌集「一握の砂」の一編や賢治が病床に伏せる妹を思って詠じた詩を対比させ、命と向き合う姿を表現。詩の朗読に和太鼓、しの笛、コーラスをのせて感情の動きを表した。
 高橋さんは「言葉の一つ一つから、2人は創作中に音の風景を見ていたのではないかと感じ、劇を構成した。賢治の命日(9月21日)に開催できたのも縁を感じる」と話した。
 同文学館は、啄木直筆の手紙や日記などの資料約500点を所蔵している。

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