商品券で元気も3割増し 仙台の商店街、「お得感」で消費掘り起こし

新型コロナウイルスの影響で減少した売り上げ回復に向け、仙台市内の商店街など46団体が発行する3割増し商品券事業で、市中心部以外の周辺商店街が奮闘している。地元住民の消費を取り込もうと、付加価値による「お得感」で差別化を図るなど知恵を絞る。
 南光台商店街振興組合(泉区)は14日、南光台コミュニティーセンターで商品券の販売会を開き、1セット1万円(1万3000円券)の5800セットが即日完売した。
 地元住民の年齢層や負担軽減を考慮し、QRコードやはがきではなく整理券をもらえば誰でも購入できる対面型とした。検温や手指消毒を徹底し、13カ所の窓口には飛沫(ひまつ)対策のアクリル板を設置した。
 南光台地区では例年8月に約1万人を集めて花火約500発を打ち上げる地域最大のイベント「南光台夏まつり」が中止に。組合は商品券事業を地域への還元策と位置づけ、チラシやポスター、横断幕、宣伝カーも使って入念に周知した。
 松田洋理事長(65)は「まつりに使う全エネルギーを商品券販売に振り替えた。コロナ禍で飲食店など数店舗が閉店しており、地域の店を支えてほしい」と呼び掛ける。
 宮町商店街振興組合(青葉区)は、全53店舗の紹介と商品券を告知するチラシを制作。他商店街との差別化を図るため特典提供を呼び掛け、約21店舗が割引サービスなどを用意した。7日の販売開始から売れ行きは順調で、28、29日には七十七銀行宮町支店駐車場で約2000セットの販売会を行う(1人3セット限定)。
 商品券を通じて新規客掘り起こしも狙いだ。各店で利用客にアンケートを行い、客層把握などに役立てるほか、商店街の加入店舗増加にもつなげたい考えだ。
 佐藤広行理事長(58)は「特典をつけて購買意欲を高めたい。売る人の顔が見える専門店をぜひ利用してほしい」と話す。

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