商品券・宿泊支援に34億円 仙台市経済対策第3弾

仙台市は28日、新型コロナウイルス感染症による経済危機を克服するため、総額34億4000万円の緊急経済対策の第3弾を発表した。商店街が発行するプレミアム付き商品券の経費助成、市内の温泉旅館への宿泊促進キャンペーンなどが柱。地域内の経済循環を再び活発化させようと、消費喚起策に重点を置いた。

 プレミアム商品券は事業費10億3000万円。市内に約60ある商店街単位で発行する。額面1万3000円の商品券を1万円で販売するなどし、30%の割増額が付与される仕組みで、市は割り増し分と事務経費の一部を補助する。
 発行時期や偽造防止対策などは、各商店街が市に助言を得ながら決める。市中心部の商店街は、市民以外も買い物に訪れることが多いことを考慮し、市外在住者も商品券を購入できる。
 感染収束に向かう段階に応じた観光需要の喚起策も打ち出した。宿泊促進キャンペーンは事業費1億900万円を充当。抽選で選ぶ市民1000人に秋保温泉(太白区)、作並温泉(青葉区)のホテル・旅館の宿泊クーポン券(1人3000円)を配布する。6月中の受け付け開始、7月中の使用開始を検討する。
 感染状況を踏まえつつ宿泊者の対象を宮城県内、東北、全国に順次拡大し、クーポン券を配布する。詳細な制度設計は、市民対象の第1次事業の効果を見極めて固める。
 中小企業の設備投資を支援する「地域産業応援金」も創設する。事業費は1億9000万円。テレワーク機器の導入、宅配事業のためのウェブサイト構築など「新しい生活様式」に対応したビジネススタイルに投資する事業者を支える。
 国の「中小企業生産性革命推進事業」の各種補助金を活用することが条件。事業者に自己負担が生じるため、市が20万~50万円を上限に助成し、利用を促す。

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