商店街にミニ七夕配布 周辺部には支援金 仙台・まつり協賛会代替案

今年の「仙台七夕まつり」(8月6~8日)を新型コロナウイルス感染防止のため中止した仙台七夕まつり協賛会は23日、期間中の代替案をまとめた。中心商店街に小ぶりな七夕を飾ってもらい、周辺商店街の飾り作りに支援金を出す。ウェブを活用した作り方講座も実施。1946年以降初の中止を乗り越え、まつりの伝統をつなぐ。
 協賛会によると、市中心部の7商店街には、長さ約30~50センチの人工の竹に吹き流しや折り鶴の七つ道具を取り付けた飾りを全店に配布する。地元の紙問屋が扱う既存のキットを活用する。軒先や店内に掲げてもらい、仙台七夕の雰囲気づくりを後押しする。
 周辺商店街が飾りを施す場合は、材料費として前年並みを上限に支援金を出す。協賛会は昨年参加の18商店街を含む約40商店街全てに方針を伝え、初参加の商店街には25万円を上限に飾り作りをサポートする。
 子どもが伝統に触れる機会づくりも重視した。希望する市内の小学校に飾りのキットを配る。小3以下の約1000クラスを想定。竹を描いた模造紙も贈り、願いを書いた短冊を貼って教室に飾ってもらう。
 親子向けに毎年開く作り方講座はウェブ上で実施。協賛会ホームページに折り紙作家が監修した手引書を載せ、動画でも紹介する。
 今年は企業協賛を取りやめたため、費用は市からの助成金3500万円で賄う。協賛会会長の鎌田宏仙台商工会議所会頭は「仙台七夕を見詰め直すきっかけにしたい。伝統をつなぐために子どもにも広く参加を呼び掛ける」と話した。

◎「来年に望み」店主ら歓迎

 仙台七夕まつりの代替案に対し、仙台市内の中心商店街からは「来年の開催に望みをつなぐことができる」と歓迎する声が上がった。周辺商店街は参加店の広がりに期待を寄せる。
 市中心部のクリスロード商店街で店を営む80代女性は「各商店街で足並みをそろえて統一感を出すことが大切」と強調した。名掛丁商店街の店主の女性は「売り上げが戻らない中、飾りの費用を負担するのは厳しい。飾りを頂けるなら協力したい」と話した。
 周辺商店街でも、宮町商店街振興組合(青葉区)の佐藤広行理事長(58)は「小さな飾りでも支援を受けられることが大きい。ハードルが低くなり、若い人でも参加しやすくなるだろう」と評価する。
 市中心部商店街活性化協議会の山崎浩之会長(72)は「1年休むと東京資本のテナントなどは今後も協力してもらえるか不安があった。今後につなぐためにも意味がある」と歓迎。「市民や観光客には来年の七夕への期待を高めてもらえる」との見方を示した。

タイトルとURLをコピーしました