東日本大震災で被災し閉館している石巻市の宮城県慶長遣欧使節船ミュージアム(サン・ファン館)に21日、サン・ファン・バウティスタ号復元船のマストを修復するため、カナダから木材が届けられた。サン・ファン館は展示施設も復旧工事中で、使節船出帆から400年に当たる2013年10月の再開を目指す。
マストは3本のうち2本が昨年4月、強風で折れた。寄贈された木材は長さ10.4~16.2メートル、直径66~106センチのベイマツとスギ計5本。約1年かけて乾燥させ、新しいマストを作る。
ベイマツなどはカナダ・ブリティッシュコロンビア州の「ウェスタン・フォレスト・プロダクツ社」が贈った。昨年秋に宮城県を訪れた州幹部に県が提供を要望し、カナダの木材生産者団体が仲介した。使節船出帆400年にちなみ、樹齢400年前後の木を選んだ。
搬入に立ち会った同社日本法人の大森秀昭シニアマネージャーは「サン・ファン号は宮城のシンボル。寄贈した木がマストになるのは名誉だ」と述べた。
県消費生活・文化課の横田豊課長は「マスト修復用の木材は国内で入手が難しい大きさ。来年10月までにサン・ファン号も元通りの姿にしたい」と感謝した。