新型コロナウイルスの感染拡大で、宮城県内の遊興施設や飲食店などが県の協力金を受け取るために必要な休業・時短営業の開始が25日に迫った。協力金は一律30万円だが、事業者からは「交付条件が分かりにくい」といった声が上がる。制度の詳細は5月上旬にも公表される見通しだが、県の相談ダイヤルに寄せられた内容を基に、要件や支給額を整理した。
協力金の対象は中小企業や個人事業主。本社が県外でも、県内に営業拠点があれば受け取れる。県は遊興施設など41業種の計約1万5000カ所に休業を、飲食店約1万4000店に時短営業(午前5時~午後8時)と酒類提供の時間制限(午後7時まで)を求めた。
営業自粛を求める期間は25日~5月6日。このうち1日でも営業すれば交付されない。もともと午前5時~午後8時の範囲で営業していた飲食店は対象外。仙台市は固定費が高額との理由で、市内に店があれば10万円を上乗せする。
想定例は表の通り。申請の際には、県内での営業を確認できる書面の提出を求める方向で検討している。申請は店がある市町村ごとに可能で、仙台以外の三つの市町村にある場合には90万円が支給される。一つの市町村で複数の店を営業していても、支給額は30万円。
新型コロナの影響で業態をテークアウトに切り替えた事業者も、店内での飲食の営業時間を要請通り短縮すれば、協力金が支給される。キッチンカーなど無店舗型は対象外。
県によると、23日の相談ダイヤル件数は977件で、開設日(18日)の約3倍に達した。担当者は「できる限り相談に応じられるよう、回線の増設も検討する」と話す。