噂の「富山ブラック」 東京ラーメンショーで連続1位

真っ黒なしょうゆスープが衝撃的なご当地ラーメン「富山ブラック」。11月に東京・駒沢オリンピック公園で5日間にわたり開催された「東京ラーメンショー2010」で、昨年に続き売上数1位を獲得した。出店した富山県射水市の「麺家いろは」の代表、栗原清さん(56)は「黒いだけじゃない。味で勝負した結果です」と胸を張る。
 ショーで提供されたラーメン「富山ブラック2010」。見るからに、しょっぱそうな色だが、うま味が濃厚で後味はすっきり。訪れた客も「あっさりしてます。汁も全部飲める」。
 戦後の復興期、汗をかいた労働者向けに、ご飯のおかずになるよう濃い味付けで出したのが始まりといわれる。病みつきになるしょっぱさが、富山県民に愛されてきた。
 栗原さんは県外の人にも受け入れられるよう改良を重ねた。魚醤を使ったしょうゆだれを10時間以上煮込み、マイルドに。だしは豚骨や鶏がらから、富山・氷見漁港に揚がるカタクチイワシの煮干しを中心に切り替えた。麺にはレンコンを練り込みコシを出した。
 ショーでは1万3355杯を売り、ほかの出店者を驚かせた。
 「うちは老舗ではない分、試行錯誤で努力してきた。常に進化し続けたい」と栗原さん。脱サラし、素人同然で開店したのが18年前。今では全国に約10店舗を構え、海外出店も目指しタイやシンガポールに視察に行く。「ラーメンで世の中を明るく」が信念だ。

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