メールの文面を読み取って利用者の関心に沿った広告を配信するヤフー(東京)の新広告を巡り、電気通信事業法が保障する「通信の秘密」の侵害に当たるかどうかについて、川端総務相は19日の記者会見で、「許容範囲である」と述べ、新広告を認める考えを示した。
これを受け、ヤフーは同日正午から新広告を始めた。
一方、ヤフーによると、この新広告の方針を公表後、26万人の利用者が広告を拒否する登録をしたという。
新広告は「興味関心連動型広告」と呼ばれ、望まない会員は拒否できる仕組み。ヤフーメールの非会員が会員に宛てたメールも読み取られることが問題視されていたが、総務省は「通信の一方の当事者である会員の同意をとれば、問題ない」と判断した。
ヤフーメールは1800万人が利用。ヤフーが5月末、新広告を8月から始めると発表したところ、「プライバシーの侵害では」という指摘が相次いだため、同省がヤフーへの聞き取り調査を実施していた。
同省は専門家らと協議し、「利用者がメール本文を開く前には読み取らない」「メールの文面を読み取ったり解析したりしていることを、わかりやすく明示する」などを順守すればメールを読み取ってもかまわない、との見解をまとめた。