国会警備は大丈夫なのか!? 「国会通行証」問題…企業、団体、フリーライターに与野党が貸与

文科省汚職事件に絡み、国民民主党の大西健介衆院議員が本来、私設秘書らに発行されるべき国会通行証を、「霞が関ブローカー」と呼ばれる元コンサルタント会社役員=贈賄罪で起訴済み=に貸与していた問題が新たな展開だ。実は、秘書業務とは無関係の人物に、議員側が通行証を渡しているケースは、与野党を問わず存在するという。国権の最高機関の警備は大丈夫なのか?

「大西の件はレアケースじゃない。氷山の一角だよ」

あるベテラン野党幹部は、大西氏が落選中だった立憲民主党の吉田統彦衆院議員に頼まれて、元コンサル役員、谷口浩司被告に通行証を出していたニュースを見て、こうつぶやいた。

同幹部によると、企業や業界、団体の「国会担当者」を、各事務所が「私設秘書」などとして申請し、通行証を貸与しているケースがあるという。

通行証があれば、国会議員の事務所が集まる議員会館にも出入りでき、業界に関する法案審議などの最新情報を収集できる。業界や団体には傘下の企業などの活動にプラスになる。関係者にとって通行証は、是が非でも手にしたい「魔法のパス」(ジャーナリストの須田慎一郎氏)なのだ。

ある与党の衆院議員事務所は、私設事務員に渡すべき通行証を、旧知のフリーライターに渡していた。周辺によると「そのライターは事務所の業務はしていない」という。

衆参両院の事務局が素性を正確に把握していない人物に、通行証が「私設秘書」「私設事務員」などとして渡り、悪用される可能性もある。

衆院事務局も「申請した国会議員が責任を負うべきだとして、通行証を交付している。こちらは申請書が形式的に整っていれば、出す。それ以上のことは調べない」と明かす。

これは「癒着の温床」というだけでなく、「警備上も大問題」ではないのか。

前出の野党幹部は、記者にこう打ち明けた。

「議員会館に来訪するたびに名前や肩書などを記入し、手荷物検査をするのも面倒だろうし、大手メディアのOB記者だってやっているはず。君のところの追及も、もうこれで終わりでしょ?」

大西、吉田両氏の件も含めて、膿は徹底的に出し切るべきだ。

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